09年1月16日 テレビ朝日開局50周年記念特別番組 今夜だけタモリ倶楽部スペシャル
ゲスト:勝田和宏、下平さやか(ともに進行)
タモリ倶楽部も1982年10月8日の番組開始から早27年(正しくは26年半)。「TAMORI」と書かれたニットシャツを着た27年前のタモリの古い映像からスタートした今回は、その27年の歴史を一部公開する総集編的企画。

放送開始当初の古びたテープや台本を目の前にしながら、まずは第1回の「ドキュメンタリー劇場 現代の顔」(初回放送1982.10.8)を見た。タモリの動向を追うだけの企画で、何のクライマックスもないまま終了というこの番組らしい流れ。なお、第2回(1982.10.15)は「潜入 ザ・テレビジョン編集部」、第3回(1982.10.22)は「女性ボディービルダー紹介」だったらしい。以降は、勝田と下平の掛け合いを挟みながらジャンル分けした過去の企画を延々見る。

まずは鉄道企画。「鉄道のダイナミックな走りを並走で満喫しよう!!」(2004.8.20)、「小湊鐵道一日入社! タモリ 芳雄の出発進行!」(2004.12.3)、「南田裕介プレゼンツ 埼京線ダービー」(2005.11.18〜25)、「赤い電車に乗って京急久里浜車両工場へ行こう!!」(2007.1.19〜26)をオンエア。

続いて現在空耳アワーを放送している枠、名物コーナー特集。「愛のさざなみ」(1982.10.8〜1983.3.25)、「SOUB TRAIN」(1982.10.8〜1983.3.18)、「東京トワイライトゾーン」(1988.3.4〜1990.5.25)、「瞑想アワー」(1990.11.23〜1991.4.26)、「今週の五ツ星り」(1990.11.23〜1992.9.25)を紹介した。

次は人に焦点を当て、こんな人も出ていました的な企画を紹介。「安斎肇 涙の断髪式」(1993.7.23)、「井筒和幸 炎の八番勝負! 監督VS宣伝マン映画PR合戦」(1998.12.18)、奥田民生が空耳役者デビューを飾った「空耳アワード2001 名作100連発」(2001.12.30)、Winkが出演した「"トゥインクルトゥインクル"完全マスター」(1994.6.24)、井上陽水とともに神保町で語り合った「なぜ、我々は人望がないのだろう」(1992.12.11)、コブクロ出演の「オーディオマニア! タモリ・コブクロのダイナミックショッピング!!」(2007.12.14)、ナンシー関出演の「楽しい消しゴム版画教室」(1991.5.31)が流れた。

理工系企画という括りでは「コンクリート圧縮強度バトル カチンカチン王決定戦!!」(2003.8.15)、「新アミューズメントスポット “MITAKA-SEA”のすべて」(2003.11.21)、「当番組ADから一生のお願い!? 溶接技術をマスターしてリヤカーを作ってください!!」(2006.6.9)、「土木界のアート! ジャンクション鑑賞会」(2004.5.21)を、音楽企画では「ポール・モーリア追悼記念 イージー・リスニング鼻歌文字起こしリサイタル」(2006.12.15)、「T-SQUAREをバックに従え縦笛(EWI)を吹きまくろう!」(2004.6.4)、「大江戸時代劇歌合戦」(1992.8.28)、「ザ・ローリング・ストーンズ 無料体感ライヴ OUT 東京ドーム」(2003.4.18)をオンエア。

おしゃれ企画では「巨乳タレント3人衆 バストアップ大作戦」(1994.6.3)、「パンスト・オブ・ジ・イヤー'95」(1995.9.29)を、酒企画(呑み企画)では「立ち飲みながら立ち飲みを語る 立ち飲みシンポジウム」(2006.10.20)、「下町のハイボールを飲みまくろう!」(2004.6.25)、「ただ呑むシリーズ 黒帯編 新橋呑み屋横丁ハシゴ酒 美人ママ付き」(2007.6.1)、「鉄道の見えるBARで電車グッズを肴に一杯やる」(2003.12.12)をオンエアした。

といろいろ見たところで、今後もタモリ倶楽部をよろしくお願いしますといった感じの締め。


蓋を開けてみればタモリ本人の出演がなく、淡々と過去の放送を振り返るだけ、という拍子抜けの企画。今回のスペシャルのための新録は勝田と下平(ひどい風邪声)の出演シーンと武田広のナレーションだけ、これはひどい。「タモリ倶楽部 裏ビデオ」でももう少ししっかり作っていたと思うんだが…。こういう括りでいくならこの企画を入れてくれよ、などと思うものも多数あり、中途半端に長く見ている自分にはすっきりしない回となった。過去の映像を一挙大公開と言いつつ、けっこう自分の感想へのリンクを貼ることができているように新しい映像が多い。素人が出演する企画は肖像権とかが関係して再利用の際に問題がある(当人から承諾を得ないといけなかったはず)と聞いたような気がするのである程度は仕方ないと思うが、それにしても古い映像が足りなすぎないか。第1回の内容はクイックジャパンだったかでも触れられていたはずだし、むしろ第2回や第3回を掘り下げたらよかったように思う。ここ5年くらい(呑み企画に分類されていた鉄道バーが発端だと思う)のトレンドでしかない鉄道企画をトップに持ってきたところはどうなのか。ジャンルで括るよりは時系列に追っていったほうが、27年の経過を見られてよかったような気も。あと、せっかく総まとめする機会なのだから、ミニコーナーは出し惜しみせず数秒ずつでも全部見せてほしかった。せっかく若かりしはるな愛が出ていた「My勝負パンツ」とかあるんだし。カセットテープも出た「夜の英会話」はどうした? 今やってるからって空耳アワーについて触れないのはどうなの? 最後に勝田が自身28回出ている(そんなに出てたっけ…? ていうか集計したら30回は出ているみたいだけど)ということだが、そういう話題を出すなら一番出演回数が多かった人は誰か、というネタを持ってきてもよかったのではないか。まあ60分という時間は長いようで、その枠だけで27年分見ようとしても何もできないか…。あくまで普段見ない人向けの内容、といった印象。古い映像があまり流れなかったので新鮮な驚きもあまりないが、どうも第1回から武田広がナレーションをやっていたっぽいのが確認できたのはよかった。声が若い。

空耳アワーの結果

なし

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