06年2月24日 雑誌から時代を読むシリーズB 人妻攻略必勝法!!
ゲスト:みうらじゅん、鴻上尚史、渡辺祐(進行)
言われるまで気付かなかったが、今年に入ってから番組に女性ゲストが来ていないらしい(中南米マガジンの回には出ているので、女性タレントの意味と思われる)。そんな中、今回もオッサン3人本を小脇に抱えて登場。鴻上も渡辺もいる。おなじみになりつつある雑誌から時代を読むシリーズ(1回目2回目)だ。今回のテーマは人妻。不倫・よろめき、そういったあたりを中心軸に、人妻の意識の変化を読み解く。

人妻の背徳記事は1950年代から既にあったようで、最初に紹介されるのは60年の週刊スリラー「人妻における『うずき』の生理と心理」。当時流行した小説「うずき」をベースにした分析記事。作者自らが、ウケた理由について「家庭の主婦の欲求代償の手立てとして読んでいるのでは」と推測しているように、当時は想像の世界でうずきを鎮め、貞淑さが保たれていたと言えそうだ。また、性心理学者に女性の欲情が高まるタイミングを分析してもらっているが、読む限りではいつでもどこでも、といった感じだ。

70年代に入ると人妻の浮気の実態をリアルに記した記事が増えてくる。73年週刊ポスト「浮気妻3,500人の臨床例」では精神科の催眠療法で浮気が明らかになったという事例が紹介された。また、74年平凡パンチ「人妻とひそかに深い仲になる…必殺のテクニック4章」では人妻との付き合いについて詳細なマニュアルが。3C3S作戦なるキーワード(頭文字を間違えているが)やら向いている場所やら時間やらベッドでのテクニックやらが記されており、ツッコミどころ満載だ。ともかくもこの年代は核家族化が進み出した時期でもあり、昼の時間を自由に使えるようになった人妻が欲求に素直になったと結論付けられた。

80年代は「金曜日の妻たちへ」の影響もあってか、女性誌にも女性のための不倫記事が登場。また、「不倫」という言葉が前面に出始めたのもこの時期。80年週刊現代「世界一セックスに自由な日本のOLの結婚後の翔び方」では生活のアクセントとして不倫を楽しんでいる様子が、85年女性自身「不倫したい女性の必修講座」では妻帯者と付き合う女性の心構えが書かれていたが、いずれも一同の共感は得られず。とくに後者については、「男性にとっての理想が描かれているだけ」とコキ降ろし。結論はカジュアル感覚で浮気をする人妻が増えたということになっているが、果たして…。

90年代になると、「失楽園」のヒットに象徴されるように不倫文化がさらに加速。雑誌記事も飛躍的に増えた。92年週刊現代「女房族に大流行 不倫してキレイになる」では身近なところで不倫を楽しむ実態が紹介され、97年週刊大衆「ああ堂々の人妻不倫山脈!!」では不倫を楽しむための雰囲気指南やネタとしか思えない体験談が記された。もはやそこにドキドキ感はなく、不倫の日常化が進んだと解釈された。

00年代はIT革命やら韓流ブームやら「負け犬の遠吠え」やらを背景として、人妻が減少している(未婚者が増えている)時代。これを受けて人妻ブームが来る可能性はなくはなく、出演者一同にも実践の余地はありそうだが、体力の減少がネック、という現実的な問題が(笑)。


このシリーズもいつしか第3弾。第3弾までいくと他にも出てきそうだが、「飽きたなあ」とタモリが言うように、そろそろ限界かもしれない。ただ、今回はみうらじゅんがコメント大王ぶりを遺憾なく発揮していたのが抜群に良くて。番組の途中から出てきた人妻をイメージしたモデルを笑わすあたりさすがで、アカデミックな中に笑いを求めるならみうらか玉袋は必要だとつくづく思わせる出来。「人妻攻略必勝法」というタイトルとは若干ずれた内容になったし、記事の内容自体は首を捻りたくなるものが多かったけれど、その中にあってわずか10年前とは思えない体験談があまりにヒドくて素晴らしかった。

空耳アワーの結果

Tシャツで拍手や歓声が起こるようになった。

ミュージシャン 曲名 賞品
セリーヌ・ディオンパワー・オブ・ラヴ手ぬぐい
ネリーティルト・ヤ・ヘッド・バックTシャツ
ホセ・フェリシアーノハートに灯をつけてTシャツ

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