08年11月14日 | 江川達也持ち込み企画 石神井川と石神井川の跡を歩く | ||||||||||||
ゲスト:江川達也、おぎやはぎ、芳賀啓(解説) | |||||||||||||
江川に呼び出されて王子へ来たタモリ。満面の笑みで現れた江川は見せたいものがある、と。何でも玉川上水の回をテレビで見たそうで、次は石神井川だ、と企画を持ち込んできたらしい。今回は、おぎやはぎに「人生変わるから」とまで言い放つ江川の案内で、地形的に面白いポイント満載(武蔵野台地を流れる主な川で渓谷を持っているのは三川のうち一つとか、石神井川は昔は神田川より長かったとか)という石神井川下流域をめぐる。 一行は滝野川橋を起点に下流へ。最初に着いたのは音無もみじ緑地。かつて大きく蛇行していた川をまっすぐにする際に、蛇行していた部分を残して公園にした場所で、歌川広重も描いたポイントだ。滝もあった(昭和初期に涸れた模様)ということで、それがあったと思われる場所も眺めてみた。さらに下流へ歩いていくと、もみじ緑地と同じように蛇行していた部分を緑地化した音無さくら緑地が出現。ここには東京層の露頭が見られ、さらにその層から水がしみだしていた。ちょうど川の蛇行外側にあたることから地形が削られ、攻撃斜面になっているのだという。このへんでタモリは「知らなかった自分を恥じる」というほどに乗ってきたが、おぎやはぎはいまいちピンと来ていないようだった。 続いては対岸へ渡り、たどり着いたのは何の変哲もない堤防。江川によれば、そこに滝が見えるらしいが、さしものタモリにも見えない。そこへ江川が取り出したるはやはり広重の描いた「王子不動之滝」。その跡が正受院と滝野川中との間にあるのだそうだ。とはいえ目の前には相変わらず堤防…ここでおぎやはぎがOPから持参していた脚立が役に立った。まあ脚立を使って覗いてもないものは見えないのだが、そこは脳内で補完しろ、ということで。 次が石神井川の最重要ポイントとされる流路変更地点。かつて不忍池へ流れ込んでいたのに、台地を貫いてまで隅田川へ流路を変えたポイントだ。そのまま旧河筋へ降りていくと、そこは親水公園。想像力が要らない地点だけに、おぎやはぎも素直に感じ入っていた。かつては大きな堰があり、広重が描いているとのこと。ここでは流路変更について江川と芳賀が自説を戦わせた。江川は江戸の治水工事によるものと主張。実際のところはいまだわかっていないようだが、対する芳賀は、江戸時代以前に既に台地を貫いていたらしいこと、人為的に台地を貫いているならまっすぐに隅田川へ伸びているはず(実際には蛇行している)であることから、湧水による浸食で自然の川ができていったと推測した。 最後は王子駅の東、あすか緑地(少しずつ流路を変えている現場)と石神井川終点の新堀橋を一気に。最初降っていた雨もすっかり止んで、満足した様子の江川とタモリ、最後まで乗りきれなかったおぎやはぎにはっきり二分された。おぎやはぎの人生は結局全く変わらなかったようで…。次は三田上水を見に行くらしいが、その前に芳賀が興奮気味に語り倒して終わってしまった。 駒込を何度か訪れたことがあるので、行ったことがないにせよ今回のロケ地一帯はそれなりに親しみが持てる。それでもさして楽しくなかったのは対象に興味がないのか江川があれこれ能書きをたれるのが気に食わないのか…。ただ、彼の川好きは本物のようなので、そこは認めねばならないか。過去に思いを馳せる想像力が重要という主張が正しければ、漫画家という職業にも合致する趣味だし。ただ、想像力と妄想力とは紙一重でもあり、彼も一歩間違うとただのあぶない人のような気もする。一方で芳賀は随所できちっと解説を加え、江川の熱弁もさらっと受け流しつつ、たまに単なるマニアとして暴走しそうになるところがなかなかいい。タモリはそこそこ企画に乗っかって、「足の裏と目で高低差を感じる」ことが楽しいなどと言っていたし川筋の削る地形に対する認識を改めていたようだけど、とにかくおぎやはぎが乗れてない。普段の雰囲気から興味のないことを隠そうとしないイメージなので、これはこれでいいのかもしれないが、それにしても乗ってこない。もう少しやりようがあるのではないだろうか。 空耳アワーの結果 ラストオーダーズがレコーディングをしたらしいが、番組出演の反響は大きかったようで、CDリリースの話もパタッとなくなったとのこと。
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