09年6月26日 | 浮世絵に描かれたイケメンたち 大江戸スター名鑑 | ||||||||||||
ゲスト:おぎやはぎ(矢作が進行)、市川亀治郎、ケン・キャプラン(解説) | |||||||||||||
今回は神保町でポスターやブロマイド的なものを見る。もちろんこの番組のこと、アイドルのものではなく、江戸時代のそれ。要は浮世絵の人物画だ。これを亀治郎行きつけの店(美術館からも仕入れに訪れる名店)で鑑賞し、江戸のショービジネスに思いを馳せる。 最初に見るのは歌舞伎役者の絵。初代嵐雛助、五代目尾上菊五郎、河原崎権十郎を見た。版木の細かさで初刷に近いかどうかがわかるようで、それを聞いた小木が早速知ったかぶった。一方で関西の絵師が描いた上方絵は、色鮮やかで顔がきつい。上方絵は役者名が描いていない絵を見たのだが、亀治郎やケンすらわからないというのに、矢作の手元の資料によれば市川海老蔵なのだと。なぜ海老蔵だとわかっていたのかは、後で明らかになる。 手遊切抜絵は、一枚の紙に多くの人物が描かれており、名前の通り切り抜いて(切り離して)使うらしい。今回見たものは6枚がつながっていて、切られずにそのまま残っているのは珍しいとのこと。美人画では角玉屋若紫、高島屋おひさ(江戸三大美人の一人。団扇を持っているのが特徴)、清正公白銀台の美人を見た。ここでようやくケンが貴重な浮世絵の扱い方をレクチャーするが、正直遅い。また、当時の人気アスリートといえば相撲取り。当然相撲絵もあり、谷風と小野川が並び立つ絵を見た。特に谷風の人気が高かったようだ。 途中、亀治郎の珍しいコレクションも拝見。所持数約2,000枚という中から、綺羅刷の名残が見え、200万くらいの価値がある三代目坂東三津五郎と、楽屋の五代目市川海老蔵(これは団扇絵として)、技芸優秀な役者の投票結果(伎藝優等 當選三組盃)を見た。技芸優秀な上位3人には、亀治郎のご先祖様もランクイン。ここで、団扇絵の海老蔵が顔に特徴があり、それが先の上方絵の特徴と一致するということで、上方絵の謎が解けた。 幕府により役者絵が禁止された時代(役者の名前が入った絵を描いてはいけない)もあり、そういうときは役者をそのまま描かず、別のものに例えて戯画に表した。そんな戯画からは、「白面笑壁のむだ書き」「亀のたわむれ」「当ル奉納願お賀久面」を見た。スターが亡くなった時に発行される死絵からは、広重追善絵を。亀治郎持参の死絵も併せて見た。最後に見たのは遊び心にあふれた人物画・寄絵。小さな人を合わせて女性を作る「としよりのよふな若い人だ」を見つつ、世界各国に眠っていながら光や湿気に弱いため整理が進まない状況に思いを馳せた。 浮世絵の中でも風景画を一切除いて人物画にスポットを当てたことにより、絵の良さはよくわからんがあまりブレない企画になったのではと思う。亀治郎も相当なマニアのようで、ゲストと言うより解説者的立場で、ケンとともに淡々としつつもしっかりツボを押さえた発言をしていて良かった。女っ気がないのも今回に関してはよかった気がする。小木の知ったかぶりがひどく、これをどう見るかで印象が違いそう。長らく小木に胡散臭さを感じている自分としては、これも一種のネタだと割り切れればいいのだけど、胡散臭い印象だけで終わってしまった。ただ、初刷の知識なんかは使いたくなるのもわからんでもない。有名な「としよりのよふな若い人だ」も浮世絵になるのか、と驚いた。これを実際にNHKでやってた、という話が出たが、ナイトスクープではないだろうか。NHKでもやったのだろうか? よくわからない。 空耳アワーの結果 安斎、20号くらいの絵をオークションにかけたら200万円もの値がついたらしい。
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