08年12月12日 | 偉大なる造形家 浅野祥雲 没後30年記念 大回顧展 | ||||||||||||
ゲスト:渡辺祐(進行)、みうらじゅん、安斎肇、大竹敏之(解説) | |||||||||||||
2008年は偉大な芸術家・浅野祥雲の没後30周年にあたる。14歳で仏像建立を志し32歳で名古屋へ移住、その後、コンクリート塑像製作を開始し、その製作数は1,000体以上とも言われる(研究家の大竹ですら400体くらいしか確認できていないらしい)大造形家だ。今回は彼の偉大なる足跡、作品に触れ、故人を大いに偲ぶ。 市井の美術史には残らない、資料も遺族のアルバムだけ、という中ではあるが、作品を年代順に見ていく。まずは大弘法シリーズ。昭和初期の大きな弘法さんで、大竹は「静の時代」と呼んでいる。尾張旭や春日井の大弘法を見た。ペンキで塗るというのが一種独特の作風のようだ。同じく昭和初期から親鸞シリーズ。親鸞の教えにまつわるエピソードを再現する宗教公園・五色園にある作品だ。エピソードがエピソードなので、動の時代の萌芽となる作品も見られた。塗り直しなのか、色遣いがおかしな作品もちらほら。実際に行ったことのあるみうらや安斎の話も交え、さまざまな作品を見た。 戦後の代表作・桃太郎シリーズを桃太郎神社から見る。このあたりからが「動の時代」。桃太郎シリーズは当然桃太郎の世界をコンクリート像で再現したもの。コンクリート以外のものを手がけた異色作・鉄板シリーズは熱海城のシャチホコなどに。シャチホコについては、城の上にコンクリート像を乗せることができないから、見よう見まねで鉄板加工をしたのだそうだ。天下分け目シリーズは超大作。関ヶ原の合戦を再現した関ヶ原ウォーランドに動の時代の金字塔たる祥雲作品が多数ある。凄惨な場面の数々に武田信玄の亡霊まで登場。馬や龍が得意だったようで、ここぞとばかりに躍動感ある馬や龍が躍っていた…関ヶ原の合戦に龍は出てこなかったけど。しまいにはアド街ック天国よろしく、関ヶ原ウォーランドコレクションなんてものも流れた。 そんなふうに祥雲先生の熱意を存分に感じたところで浅野邸を拝見。思いっきりふつうの家だが、猿田彦大神が玄関前にあるところにその面影が。これが案外と普通の出来で、ポップに見えていたのは彩色のせいでは?と結論付けられていた。 うへー、祥雲先生の作品見たことあるよ! 愛知万博真っ只中の当時、万博にも行かずに五色園に友人たちと連れ立って行き、写真を撮りまくったのだった。万博会場が近かったので「日進パビリオン」と呼んで周りに吹聴していたわけだが、その像はこんな由緒正しきものだったとは思いもしなかった。冷静に考えたらそうなのだけど、桃太郎神社と一緒というのもへええと感心。噂にしか聞いていなかった関ヶ原ウォーランドまでカバーしていたとあっては、もう平伏するしかない。その割にずいぶんと扱いがぞんざいではないですか! もっと素材を丁寧に扱いなさい! ただ、免疫がついてない場合、立て続けに見ると胃もたれを起こしそうになる感じもわからないでもない。もう十分というタモリの反応も仕方ないか。というか愛知周辺では桃太郎神社なり五色園なりはおしゃれな雑誌にも掲載されるデートスポットとして当たり前のように知られる存在だと思っていたのだが違うのだろうか(違う)。まあ、愛知が世界に誇れるものといえば祥雲先生くらいしかいないと思うので、そうしたことを知らしめる啓蒙番組としては良かったのではないだろうか。 空耳アワーの結果 大竹まで含めて全員で。はっきり覚えていないが、大竹は素人として初の空耳ギャラリーかも。
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