08年7月4日 江戸の海岸物語
ゲスト:ほんこん、竹山隆範、菅井康郎(解説)、鴻上尚史、松岡清隆
江戸時代の海岸線は現在と大きく異なり、旧東海道がすぐそばまで波が来る海岸通りになっていた。そこから東京湾まではほぼすべてが埋め立て。今回はそんな旧東海道を散策し、今なお残る海の跡をめぐってゆく。

「東海道五拾三次之内 品川 日之出」に描かれた大凡の場所から、旧東海道を南下する形でスタート。海側へ抜ける道はいずれも緩やかな下りの坂道になっており、一方で山側への道はさらに緩やかな上り。また、河岸の碑も存在することから、早くも昔の海岸線があったことを偲ばせる。ここで鴻上も合流して、旧東海道を左折。旧目黒川の河口へ向けて海の名残を訪ねる。

たどり着いたのは品川浦舟溜まり。現在の目黒川は東京湾へまっすぐに流れ込むが、当時は大きく蛇行してこの舟溜まりへと出ていた。かつては浮世絵にも描かれたほどの江戸有数の港で、現在は屋形船や釣り船が係留されている。古地図と現在の地図とを見比べるとその違いは一目瞭然で、鴻上もようやく今回の企画の趣旨を理解した様子。また、およそ50年前の写真に現在も存在する光景が写っており、一同面白がっていた。

旧目黒川沿いを歩いてゆくと、大きな鯨のモニュメントが。そのほど近くには、区の文化財にもなった鯨塚がある。鯨塚は1798年に漂着した鯨に由来してできたとのこと。時の将軍に見せるために浜御殿(現在の浜離宮)までも運んだらしい。そうしているうちに鯨も腐るわけだが、骨など利用可能なところは利用し、利用されずに残った部分をまとめて現在の鯨塚にしたということだ。

続いて品川橋へ。旧東海道が目黒川と重なるポイントで、目黒川が流れを変えてもなお同じ場所に架かっている。再び古地図を見ながら、品川港周辺がいかにすぐれた港であったか(東京湾の潮流が強い影響で目黒川が蛇行し、それによって目黒川〜港が台風の影響を受けない、係留適地となった)を確認。と、ここでほんこんがしばらく黙っていた竹山に向って「ダジャレでも言いたいんじゃないか」と無茶振り。竹山はただただ戸惑うばかり。

さらに下って南品川2丁目付近を歩くと土留が。海側への傾斜を土留によってフラットにし、家屋を建てたというわけだ。旧東海道近辺ではもうほとんど残っていないというこの土留、これがあるところが以前はかなり海に近いところだったと見てよく、その近くにある通りに後世付けられた名前が「元なぎさ通り」とのこと。そのような情報で一同が海へ思いを馳せている時、ちょうどいいタイミングでほんこんが波の音を鳴らして場を盛り上げた。

青物横丁にも海の名残。創業200年以上、築100年の畳屋の建物が中二階になっており、これは以前の立地が海岸沿いで、強風に煽られないようにしたための措置(浜造り)らしい。そこから畳屋の松岡の話を聞きながら畳用の包丁を見せてもらったり実際にい草を裁断してみたりして、タモリはえらく懐かしがっていた。何でも子供の頃からの50年来の夢が叶ったのだとか。

最後は鮫洲の勝島運河へ。かつては漁師町だったというこの一帯、勝島自体も以前は島だったが、現在は埋め立てにより地続きになり、水は汽水に。少し前にボラ騒動が起きたのもこことのこと。勝島は戦中に埋め立てられたためにそのような名前になっており、一方で平和島は戦後に作られたのでそのような名前になったという話も披露され、一同また感心。

ということで一同の感想戦。ほんこんも鴻上も本当は興味がないはずなのになかなかいいことを言っている中、竹山は芸人としての限界を感じてしまったようだ。


全体的に淡々とした流れで少々退屈。菅井が痒いところに手の届くかなりしっかりした解説をしていたため、普通のお勉強番組になった感じがする。これにより、タモリの暴走もほとんどなかった。そんな中、図らずも芸人としての経験値の差が如実に出てしまう場面が随所にあって竹山には辛い回になったが、これをきっかけにして、より羽ばたいてゆけばよいのではなかろうか。途中のほんこんの「この番組の不思議なところはやっているうちに興味が出てくるところ。で、終わったら全部忘れる」という発言が本質ズバリで、さすがよく出ているだけあるなあという感じ。もっとも、出演者には残らなくても視聴者にはひとつひとつ積み重なっていくのだけど。

空耳アワーの結果

安斎のパンクバンド、サマソニに出られそうとのこと。本当に? そのバンド活動、初練習日に安斎は早速遅刻したらしく、バンドマンは遅刻しないと感心したそうだが、タモリに言わしめればバンドマンに限らずみんな時計を持っているから遅刻などしない、とのこと。

ミュージシャン 曲名 賞品
ブラインド・ガーディアンディス・ウィル・ネバー・エンド手ぬぐい
レッド・ツェッペリンウェアリング・アンド・ティアリング手ぬぐい
ロス・デル・リオ恋に落ちたら手ぬぐい

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