08年3月21日 あなたの「持ってた!」がきっとある!! 昭和ラジカセ史探訪
ゲスト:ガダルカナル・タカ(進行)、江川達也、竹山隆範、高橋洋二、松崎順一(解説)
すっかり廃れてしまった感のあるラジカセ(定義は持ち運び可・電池で利用できる)だが、そんなラジカセを2,000台も集め、当時の性能そのままに整備して販売する中古ラジカセ専門店・デザインアンダーグランドが出張店舗を出してきた。収集は海外に出そうなところを交渉して入手、販売価格は当時の価格の半分くらい、というスタンスの店。今回はここで、オールドファン感涙の名機の数々を見ていく。

ラジカセは昭和のラジカセ史に沿って見ていく。昭和43年に誕生した日本最初(かつ、世界最初)のラジカセがAIWAのTPR-101。当時の大卒初任給に匹敵する価格だ。続いて、後のラジカセの雛型となるAIWAのTPR-205(カセットとラジオの配置を決定づけた)、モノラルラジカセの大ヒット作・SONYのCF-1980(さまざまなつまみを実装し、メカ的な雰囲気を持った)、ワイヤレスマイクを内蔵したNationalのMAC-FF RQ-448やHITACHIのTRK-1280、通称パディスコと見ていく。マイクは一見利用目的が不明だが、離れていてもマイクを通してラジカセから自分の声が出ることから、当時は拡声器的な使い方や告白、はたまた葬式にも使っていたようだ。

昭和48年の生録ブーム(野外の音を録る)の到来に一役買ったのがSONYのCF-2700、通称カセットデンスケ。デンスケのオープンリールをカセットに替え、ラジオをつけた逸品だ。六音はステレオでできるが再生はモノラルという欠陥を抱えているものの、プロも使っていたらしい。昭和50年頃からステレオ化が進むが、日本初のステレオラジカセは昭和47年にSONYがCF-2550で実現。当時はモノラルで満足されていたのと、スピーカーの左右が近すぎてあまり意味がないのではないか、という考えから、すぐには火がつかなかったのだそう。同じくSONYのCF-6500、通称ZILBAPくらいになってようやく人気が出てきたようだ。他、TOSHIBAのRT-S90、通称BOMBEAT adres、AIWAのCS-J77が紹介された。

昭和53年にはメタルテープが発売。用途によってテープを選ぶ時代が到来した。当時の高橋のオリジナルテープを見てその緻密さに一同感嘆。そして昭和54年には頭出し機能が登場。NationalのRX-5700、通称DISCO-Mがヒット作だ。機能としては無音部分を検知するだけなのだが、当時としては画期的。流行し出したホームカラオケ機としての利用にも適したマシンとなった。同じころ、SHARPのGF-808、通称ザ・サーチャーWのようにダブルカセットを搭載した機種も登場。ラジカセの選択肢、遊びの幅が一気に広がることとなった。

昭和55年頃からファッション化が進み、SANYOのMR-U4やNationalのRX-F80、通称Kangarooのようにカラフルな色遣い(ターゲットは女性)の機種が続々登場。特にKangarooはカセット部とラジオ部がウォークマンのように取り外して持ち運べる斬新な機能を有していた。他、時代を彩った名機として、テレビがついたSONYのFX-300、通称JACKAL、レコードプレイヤーを搭載し、ひっくり返さなくても両面再生できるSHARPのVZ-V2(シャープ製なのにセットされたレコードはなぜかソニー)、ダブルカセットを通り越してトリプルカセットを搭載したNationalのRX-F333を見ていった。

最後に見たのは音質をとことん追求したDIATONEのY-500。パワーやスピーカーをつけすぎて電池スペースがなく、申し訳程度に取っ手をつけており、定義的にはラジカセと呼べなさそうな立派なもの。と、これだけいろいろ見てきても、タモリが欲しいと思えるものはなかったようだ。


ラジカセは末期しか触れていないが、懐かしいことは懐かしい。当時子どもの目から見ても画期的に思えたラテカセやトリプルカセットが出てきたのがよかった。昔の性能を発揮できるように整備されているはずなのに、いろいろな機種で再生を試みてもダメ(あるいはハナからおことわり)なのが多かったのはご愛嬌か。再生できたらできたでテープ側に問題があったということもあったし。店長として出てきた松崎はさわやかさがいい感じ。「突き詰めると味だけ」「需要と供給が折り合わないことはあまりないです。売れないんで」とか、自分の商売なのに笑顔でなかなかひどいことを言うのがいいと思った。「ここ、都内ですよね?」とかテープの再生なのにセレクタがラジオになってる天然ぶりもよかった。高橋は久々の出演。自ら台本を書いておきながら出ているだけあって思い入れが人一倍で、ヘタしたら松崎以上に知識を持っていたかも。自分の持ち込み企画なのだろうと思わせるに十分な熱の入れようだった。

空耳アワーの結果

安斎、英語の教材用に買ってもらったラジカセで成人映画の音を録ろうとしたら再生ボタンを押してしまったらしい。

ミュージシャン 曲名 賞品
ゼブラヘッドオーバー・ザ・エッジ手ぬぐい
クアンティックエン・フォーカス手ぬぐい
ディープ・パープルバック・トゥ・バック耳かき

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