08年2月8日 | クラシックエンジンの調べ 発動機大運転会 | ||||||||||||
ゲスト:山田五郎、半田健人、ほんこん(進行)、小林隆男、広野俊秀、辻谷勘治郎、伊藤隆司 | |||||||||||||
長きにわたり日本の産業を支えた発動機。近年はもうほとんど見ることのないものになってしまったが、今なお発動機を愛する人々はいる。今回はそんな人々が集結、各人自慢の愛機を鑑賞するとともに音を楽しむ。 まずは茨城県発動機遺産保存研究会の小林から発動機に入り込むきっかけ、会の現況などを聞く。小林は1970年代生まれなので発動機の黄金時代を知らないのだが、10年前に見つけたチラシがきっかけでどんな音がするのか、どう動くのかなどと興味を持つようになったらしい。会は茨城県下のみながら50人に届くところで、小林自身も既に50台ほど所有しているとのこと。使われなくなった発動機を発掘して使えるように整備するというのが基本だが、当然部品がないので、足りない部品は旋盤で自ら作るのだそうだ。また、燃料は灯油で、起動時のみガソリンを使うとのこと。 最初の発動機は小林の用意した三菱重工業のかつらJ1型(昭和30年頃)。シックなボディ、艶めかしいベルトに最初は興味のなかったほんこんも俄然興味を持った様子。わりと低速ながら、タモリがリズムをとるほどのいい音が出てきた。続いて広野の土肥工業所のトヒ(昭和15〜20年頃)。灯油のエンジンとしては大型なので、吸気が特徴的な迫力のある音が出る。相当低速にもできる(ゆっくり回すのは整備者の腕の見せ所)すぐれものだが、広野は都内在住だそうで、発動機を動かすにも一苦労らしい。広野からはもう一台、篠田発動機のシノダ(昭和15〜20年頃)も。かなり煙を吐き出すしっかりした音のマシンだった。 次に登場の辻谷はクラシック鑑賞も趣味だそうで、かなり凝ったオーディオセットの方に話題が行きかけたが、持参した発動機も発動機も稀少な久保田鉄工所のクボタSF型(昭和20〜25年頃)。SF型はクボタで唯一発電機部が箱型なのだそう。辻谷は自分が持ち主ながらいまいち鳴らせなかったが、助っ人の小林がなんとか鳴らした。もう一台持参してきたのは吉田鉄工所のライト(昭和15〜20年頃)。他では聞けない高音が特徴だが、油が切れかけなど、こちらはやや整備が十分でなかった感じ。ただ、辻谷のとぼけたキャラと相俟って、一同には笑顔が。伊藤はヤンマーディーゼルのヤンマーH8(昭和24年)を持参。ディーゼルなうえにかなり大きく美しいフォルム。止まりそうな速さでゆっくり回るが止まらない、熟練の整備技術がよく出ていた。 最後はそれぞれが印象に残った発動機を挙げていったが、ヤンマーH8、シノダ、かつらJ1型と挙がっていって、辻谷のものは選ばれなかった。 タモリがとにかく懐かしがっていたり、マニアの平均年齢が高かったりすることから、どちらかというと年長者の趣味のようで、あまり惹かれるものはなかった。整備することの大変さがいまいち伝わってこないので、そのへんも扱うとよかったような。あるいは、ボロボロの発動機を整備して動かすところまで追うとか。時間が足りないか。年配の人が多いだけに多少イラつくような受け答えもあるにはあったが、天然が多分に含まれた受け答え、それに対するほんこんのツッコミなんかはなかなかよかったと思う。こうしたメンバーを束ねるとは小林氏は大変だ…。それにしてもタモリは何に対しても首を突っ込むんだな。興味のない分野なんてミュージカル以外にないんじゃなかろうか。 空耳アワーの結果 安斎、勝手に観光協会のCDを持参してきた。
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