07年11月9日 | 追悼“神様” カール・ゴッチ プロレスの芸術品 ジャーマン・スープレックス大賞 | ||||||||||||
ゲスト:浅草キッド(博士が進行)、山本小鉄、吉田豪、三又又三 | |||||||||||||
芸術の秋ともなれば芸術鑑賞をしよう、ということで俎上に載せるのはプロレスの神様ことカール・ゴッチ。彼は残念ながらことし亡くなってしまったわけだが、彼の遺したジャーマンスープレックスホールドはいまなお燦然と輝き、芸術の域にすら達している。そこで今回は、ゴッチを含めた名手たちのジャーマンを鑑賞し、神様の功績を称える。 まずは本家のジャーマン。本家だけあって美しさは随一だ。身体が硬くブリッジの体勢が苦しかったにもかかわらず美しいというのが見事。次は初代タイガーマスク。上から角度をつけて落とすだけでなく、技をかける側の反りがすごい。藤波辰巳のジャーマンは滞空時間が長く、そういう綺麗さがあった。前田日明は身体の柔らかさを活かし、実にスムーズなジャーマンを披露。高田伸彦は膝が悪い時期で一度バランスを崩しながら立て直して落とすジャーマン。山崎一夫は落とすというより投げるジャーマン。越中詩郎のジャーマンは投げ終わってもブレがない綺麗なもの。ヒロ斎藤は隠れた名手で、柔らかい身体を活かした高速ジャーマン。VTRのレフェリーが山本でひとしきり盛り上がった。馳浩は低い体勢でしっかり踵を上げて投げていた。亜流というか、一風変わったジャーマンも見せる。リック・スタイナーは怪力を活かした投げっぱなしジャーマン。関本大介は山本によればあまり綺麗ではないようだが、下から持ち上げてそのままジャーマンに持っていくというもの。 また、ジャーマンにちなんでドイツ料理を食べながら、ゴッチに関するさまざまなエピソードも語られる。ゴッチと猪木の師弟関係とか、実はベルギー出身だとか、60歳を超えてもスクワットを3000回こなしていたとか、タモリが前田日明の後援会長をやっており、彼の凱旋帰国の際に来日したゴッチに会っているとか、社交的ではなくいつも黒い服ばかり着ていたとか、ストーンズTシャツを着ていた佐山聡に説教したとか、虫歯が見つかったので全部抜いた(バランスが悪くなるので)とか、ロックスターの伝説のようなエピソードがずらり。 さらに、ゴッチ門下生の山本がゴッチ式の練習を三又に指導する場面も。バラエティー的おいしさを求める三又だが、おいしい練習などないということで、鬼コーチの山本のもとトレーニング開始。トランプを交互にひき、黒が出たらスクワットを、赤が出たらプッシュアップを、それぞれ数字の数(スクワットは数字の倍。絵札はスクワット50回、プッシュアップ20回)だけやるというものだが、あっという間に三又はバテバテだった。 最後は今回見たジャーマンを一気に見て終了。玉袋の「ニュー・シネマ・パラダイスのラストシーンのよう」という発言は言いえて妙というか。 プロレスのことはよくわからないが、ジャーマンはもちろん知っているし、その美しさもわからんでもない。おそらく選りすぐりのジャーマン集なのだから、出演者と一緒に「おおー」となれるところもちょっといい。直接関係なかったとはいえ、豆知識に関しては随一の吉田豪を呼んでいるところも好感。浅草キッドもこのジャンルについては専門だが、かといって出すぎずゲストを前面に出すあたり、心得ているなあといった印象。そんな中で玉袋はしれっとヌルヌル事件に触れていたが大丈夫か。山本がいまいち周囲と噛み合っていないように思えたが、おそらくはトーク自体不慣れなのだろう、仕方ないか。 空耳アワーの結果
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