07年10月26日 | 半田健人の歌謡曲インストナイトプレ視聴会 | ||||||||||||
ゲスト:クリス・ペプラー(進行)、近田春夫、山田五郎、半田健人 | |||||||||||||
六本木で半田主催のクラブイベント「'70s NIGHT」が催された。何をかけるかというと、70年代歌謡曲のインストLP、いわゆる歌のない歌謡曲。ボーカルがないのをいいことに自由なアレンジが施されていることが多いというこのジャンル、今回は半田の秘蔵コレクションから選りすぐりの名曲の数々を鑑賞する。原曲のさわりを聴いてインスト版、というのが基本の流れだ。 まず市原明彦とワーナー・ビートニックスの「あなたの灯」(五木ひろし)。ハモンドとドラムが大活躍するプログレ風味のアレンジに一同大ウケ。「つながりがいいのか悪いのかはわかんないけど衝撃がある」とは近田の言だ。続くありた・しんたろうとニュービート「じんじんさせて」(山本リンダ)もドラムが大フィーチャー。クドいくらいに何度も挿入されるうえにパンするドラムソロが出てくるたびに笑いが起こる。特に山田の受けようが尋常ではない。この曲は市原明彦とワーナー・ビートニックス版もあるとのことで聴いてみるが、こちらは普通にかっこいいバージョンだった。 ジミー竹内とエキサイターズの「恋する夏の日」(天地真理)もドラムソロが長いパターン。原キーよりも低い入りに疑問が出たが、徐々に転調して原キーに戻すという展開だった。その後のドラムソロが約4分という驚異的な長さで会話が弾む弾む。CD化もされているというクニ河内とその仲間「純潔」(南沙織)は一筋縄ではいかないクニ河内のアレンジということで、主旋律を尺八で演奏するというとんでもないバージョン。「純潔」なのに尺八、クニとエロ満載だ。佐藤允彦と1864コットン・フィールド・ロックバンドの「また逢う日まで」(尾崎紀世彦)はモーグが出たばかりということで、モーグを大フィーチャー。「ちっともいい音じゃない」のもポイントだ。ゴールデン・サウンズの「ブルー・ライト・ヨコハマ」(いしだあゆみ)はコーラスが意表を突くところに入っている。「今度は入らなかったね」と近田が言ったと思ったら入ってくるという唐突さだ。 最後は寺川正興とニュービート「白い蝶のサンバ」(森山加代子)を聴く。これはドラムフィーチャーものに対抗してか、ベースをフィーチャーしているのだが、何をやるかというとメロディーライン。この予想を裏切る展開にはやっぱりみんな大ウケだった。また、このジャンル特有の、まったく関係ない外国人モデルを起用したジャケットの話題もした。脱いでいるというのはよくあるが、スネ毛の処理が甘いものまであるとのことだ。 「視聴会」じゃなくて「試聴会」じゃないの?と思わないでもないが、とまれ今回は水準が高くていいと思う。「好き放題やっているので音楽的水準は意外と高い」という半田の言葉も納得で、思わずブックオフに走りそうになるものがある。歴戦の兵を向こうに回しながらも決して引けをとらない半田の素養の高さが、よりこの企画を面白くしているように思った。半田の変態性がよく出た快作。オリジナル楽曲を聴く際に、作曲者と編曲者のクレジットのみが出てくるのも些細なことだがうまいと思う。ところでカメラがしょっちゅう無言のクリスペプラーを抜くのは何か意図があったのだろうか。 空耳アワーの結果 前回の撮りで遅刻したばかりだというのに、今回の安斎はなんと来なかった。タモリも「これ2本撮りなんでどうなるかな」と若干不安げ。ということで半田がはがき読みで全員で見た。
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