06年11月17日 潜入!LP工場 「アナログのぬくもり大切にし隊」が行く!!
ゲスト:松尾貴史(進行)、マーティ・フリードマン、近田春夫、手塚和巳(解説)、石丸仁(解説)
今回はタモリの持ち込み企画。タモリ主導で「アナログのぬくもり大切にし隊」が結成され、はるばる鶴見のアナログレコード工場までカッティングからプレスまでの工程(一貫した生産ラインを持つのはアジアではここが唯一)を見る。メンバーはアナログがいちばんと言うマーティ、昔(ビブラストーンの頃?)はカッティングに足を運んでいたという近田、そしてキッチュ。

まずはカッティングから。音源からカッティングコンソールに放り込んで音量・音質を調整、そこからカッティングマシーンへ送り込む、というのが基本的な流れ。アナログテープからコンソールに送出する場合はヘッドを二つ(ギャップは1秒程度)使い、先出しの音は幅・深さを制御するために使われ、後から出る音はドライブアンプに送られ、最適なRIAA特性に調整される。タモリは自らの企画だけあって前面で熱く語っていた。

ここで音質に関する質問のはがきが到着。アナログレコードとCDとでは本当に音が違うのか、「いっぽんでもニンジン」を題材に比べてみる。テレビではわかりづらいが、ぬくもりがある、高音域がわかりやすいというのが現場の声。この感想はあながち間違いでもないようで、CDでカットされる周波数も収録されていることが影響している模様。この聴き比べを発端に、CD音源をアナログ化しても違うのか、効果音CDを使って実験。ラッカー盤に機関車の音や教会の鐘、カッティングしてゆく。ギャラリーの感触はやはり違うようだ。

近田が今回PCを持参しており、その音源をアナログ化したいということでPC内の音源チェックをしていたのだが、この件は雑談に流れてマーティの「プチ妥協」で盛り上がってしまい、結局マーティの新作の音源をカッティングすることに。レコードは内側に行くほど音質が劣るとのことから、同じ曲を盤面の内外に刻む。外側に刻んだほうはCDよりはるかに良い出来のようで、マーティはがっくりだ。一方内側は歪みが大きくなっている模様。これをA面にして、B面は近田の提案でおしゃべりを入れることになった。メガデス時代の珍しいレコードや逆回転再生の話をしてカッティング。ラッカー盤が完成した。

ラッカー盤を持ってプレス工場へ。ラッカー盤からマスター盤、マザー盤をつくり、マザー盤からプレス用のスタンパー盤を作成。塩化ビニールの塊を上下からスタンパー盤で挟んでプレスすることでレコードができる。ただ、いざプレスという段になって、予算の都合上1枚しかプレスできないことが判明。じゃんけんの結果、マーティが持ち帰ることになった。もっとも、後日全員分プレスされたよう。


音質ネタになるとモノラル音声のこの番組ではどうしても伝わらない部分が大きくなるが、単純な興味としてはそれなりに面白く見られた。全員個人名義のアルバムを出したことがあるという人選も良く、安定したつくり。タモリはFM fanのダイナミックテストでも読んでいたのだろうか、音の加工にやたら詳しく、さすが持ち込み企画、というところを見せた。効果音の音素材そのものに興味を持つ近田も音楽制作の現場に長くいるだけあって、B面にゆかいなおしゃべりを入れる提案をするあたり、わかってるなあという感じ。マーティも今回はなぜか変な可笑しさを醸し出していた。キッチュは久々にいい企画に出てきた感があるが、せっかくアルバムを出しているのだから彼にももう少し突っ込んでほしかった。

空耳アワーの結果

安斎、10年ほど前に東洋化成のカレンダーを作ったことがあるとのことで現物を持ってきた。

ミュージシャン 曲名 賞品
バックチェリーブロークングラス手ぬぐい
メガデス狂乱のシンフォニー手ぬぐい
リアン・ライムスブルーTシャツ

戻る