04年7月23日 | がまん汁の第一発見者 カウパー博士の異常な欲情 | ||||||||||||
ゲスト:乾貴美子(進行)、みうらじゅん、茨木保(解説) | |||||||||||||
オリンピックが近づいてきたが、タモリは普段の様子からわかるように、スポーツにつきものの努力・根性・我慢の類が苦手らしい。ところで我慢といえばがまん汁。今回はがまん汁、すなわちカウパー氏腺液にスポットを当て、その深淵に迫る。 さてカウパー氏腺液はその名の通りイギリスの学者、ウィリアム・クーパー(Cowper)に因んで名付けられたもの。男子の尿道海綿体(海綿体の中でも陰茎裏側にあるほうでやわらかい。亀頭も構成する。表側は陰茎海綿体でかたい)のうしろ、前立腺の下くらいに位置するカウパー氏腺から分泌される。カウパー氏腺の大きさはえんどう豆くらい。カウパー氏腺液には、挿入の際の潤滑油、そして精子を酸から守る(尿道をアルカリ性に変える)という主な役割がある。1回の分泌量は0.1〜0.2cc程度。俗称としてはやはり「がまん汁」が多いようだ。また、カウパー氏腺液には精子は含まれていないので、カウパー氏腺液では妊娠しない。若い男子の場合は精管から精子があふれて混ざることがあるようだが、がまん汁での妊娠率はほぼゼロとのこと。 カウパー氏腺と名付けられた経緯は次の通り。1666年サセックスに生まれたクーパーは、外科医・解剖学者として活躍、1696年には王立協会に選出された。1702年に発表した解剖学の本の中にカウパー氏腺の詳細図を載せており、これが直接のきっかけになったよう。彼の死後、1849年にフランスの外科医、アドルフ・ギュブレルががまん汁を出す器官をカウパー氏腺と名付け現在に至る。 さて、女性にもカウパー氏腺液に相当するバルトリン氏腺液がある。バルトリン氏腺は膣口の両側にあり、えんどう豆程度の大きさ。はたらきもカウパー氏腺液とほぼ同様だが、液が乳白色というのがカウパー氏腺液(カウパーは無色透明)と違うところ。名前の由来はもちろん発見者であり、クーパーと同時代のデンマークの医師、カスパル・バルトリンII世による。 ところでクーパーには知られざる一面があった。それはパクリ癖。1698年に発表して大ヒットした「人体の解剖」は、ゴヴァルト・ビドローが13年前に出版したものと酷似しており、名声は地に墜ちてしまった。そこで発表されたのがカウパー氏腺であったが、実はこれもジャン・メリーがクーパーに18年先駆けて発見していたものであり、ネタ自体はパクリだった。まあ、詳細な記録を残したのはクーパーが最初ということでまだマシみたいだが。 エンディングはぼんやりしたものだったが、結論としては「クーパーには陽が当たっていない、今こそクーパー復権を」というものだった。そしてお盆が近いことにかこつけて「カウパー流し」とか「早漏流し」とか、ギャグの応酬のまま終了。 「なぜ気付かなかったのか」とみうらが言うように、既に取り上げていてもおかしくなさそうなテーマ。セックスドキュメンタリー風シリーズといえばプロジェクトSEXとか匿名リサーチ200SEXとかパロディタイトルがつくことが多かったが、今回はまた微妙な…。時代の流れと全く関係ないし。それはともかくとして、この手の企画になると乾大先生ですよ。のっけから茨木に「いやらしそうですよね」と失礼なことを言い、女子が口にするのもはばかられるような単語も平気で口にし。しまいにはなぜかメモをとりだす始末。何に使うの? あとはみうらが「何万個くらい…」と期待を裏切らないきわどい発言をする一方で空回り気味だったのがいつもと違う感じで面白かった。公園の水飲み口をペニスに見立てる演出もアイデア賞。あれ、なんか誉めてばかりのような…。 空耳アワーの結果 後ろにジャンパーが大量発生。なぜか新規に50着もつくったらしい。
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