02年12月6日 | 徹底研究!エビングのカルテ 変態性欲の心理 | |||||||||
ゲスト:ガダルカナル・タカ、山田五郎、富田隆、及川卓 | ||||||||||
近年は各分野でマニア化が進んでいるように見受けられるが、それは風俗関係でも同じようで、母乳を飲ませる店や自分の自慰を見てもらう店も出てきているよう。そうしたものを好む人は一般に変態という括りで扱われるが、この変態を世界最初に研究したのがリヒャルト・フォン・クラフト=エビングである。今回は彼の著作「PSYCHOPATHIA SEXUALIS」を取り上げ、これに載っている症例を基に変態の心理を探る。 症例を集めつつ12回も版を重ねたという本書から取り上げる最初の変態はサディズム。姉が折檻されるのを見て目覚め、自らもスパンキングしながら射精したという症例を扱う。これには ●たまたま(折檻のような)派手な支配の仕方を見たときにそれが性的なものと結びついたのではないか、セックスは人間関係の延長線上にあるものだから ●もともとセックスに関係のないところで育まれていたものがあるとき突然セックスと結びついたのでは ●姉と母親との記憶のすり替えが見られる ●人間は純粋なセックスに何らかの精神的作用を持ち込んでいるから、その時点で既に変態である。それに比べると本症例はリッパなものである などと真剣な意見交換がなされた。他の症例を見ても、何らかの条件付けによりそのような心理が形成されている模様。 ふたつめはマゾヒズム。売春宿で、娼婦に叱られたり殴られたりする寸劇をしながらも射精する例が紹介された。無価値な物のように扱われたいという願望が眠っているようだ。フェティシズムも取り上げられ、カツラフェチの男性が紹介された。フェティシズムではフェチの対象はペニスの代理物であり、それとペニスを結びつけることで初めて完結するらしい。 そんなふうに症例をいくつか紹介して尻すぼみなエンディング。 変態といっても昔でいうところの変態なので、今では特に変とも思わないような性癖ばかり紹介してちょっと拍子抜け。本文を読めばもっときつい性癖も出てくるのかもしれないが。新訳は柳下訳みたいなので読んでみようかしら。まあ、性癖としてはありふれた感があるものでも、症例はこれぞサド、これぞマゾといったようなディープなものが多く、軽々しくそうした言葉を使ってはいけないものなのだなと思ったし、そうした正しい解釈をするなら今回紹介された3性癖も変態といえるのかもしれない。サドにしろマゾにしろ、性交に至る前の行為(前戯、とは言いづらいが)で完結してはじめて真のそれと言えるのだ。勉強になりました。基本的に真面目な内容だったので各人特にスパークすることもなく淡々と進んだ。坂で手淫していたという症例に対して「東京なんかたまんないだろうな」とタモリが漏らしたあたりでくすっときた程度か。タモリの坂好きという設定(設定ではない)を久しぶりに思い出した瞬間。 空耳アワーの結果
|