00年5月12日 書いた!刷った!売れ…!? 私の空振り本大反省会!!
ゲスト:130R(進行)、加藤賢崇、山田ゴメス、高橋洋二、杉作J太郎、安齋肇
巷を賑わすベストセラー。しかし、そんなのは出版される量に比べたらほんの一握り。大半が意気込みのわりに売れないいわゆる「空振り本」になってしまう。番組ゆかりの文筆業者(という表現をされている)が出した本も、当然といっては失礼だが空振り本だ。そこで今回は、明日のベストセラー作家を目指す彼らの空振り本を見ながら、どこがいけなかったのか著者本人とともに省みるとともに、出版に当たって世話になった人々に謝罪の言葉を述べる。

まずは加藤。空振り本は「いぬちゃん」(ヤマハ音楽振興会)という漫画作品集。主人公のいぬちゃんの活躍に加え自伝も載っている豪華版。しかし「個性がない」「わからない」「アシスタントが1日目にする仕事」などとタモリや130Rからきつい言葉。オビの後ろにつけたタレント推薦文も不評。そして締めに、空振り本著者にとっては寝耳に水かもしれない実売数が公表される。「いぬちゃん」は日比谷野音超満員、とのこと。

続いて山田。風俗業界で働く女性の素顔に迫るルポ、「間接挿入」(KKベストセラーズ)だ。タイトルや装丁は評判がよいのだが肝心の文章に意味不明の部分が散見されて一気に評価が落ちる。書き上げた時に誰にも読んでもらわなかったらしいし。で、実売は東京ベイN.K.ホール(空席あり)。

次に高橋。TV Bros.連載のテレビ評コラムを集めた「10点さしあげる」(大栄出版)。見た瞬間、あ、これ立ち読みしたことある、とわかった本だし安齋がデザインということで空耳でも紹介されたような気がする一冊。タイトル・イラスト(しりあがり寿)・デザインがダメとは言われたがちょっと説得力に欠けるか。発売日には新宿紀伊國屋書店で平積みになったうえPOPも立ったようだが実売はNHKホール超満員どまり。

いよいよ真打(?)、杉作の登場である。もちろん「ヤボテンとマシュマロ」(メディアワークス)の紹介だ。自伝的内容を含むエッセイと漫画が組み合わさった純文学作品。今回紹介された中で唯一持っている本である。ここしばらくでは番組に一番なじんでいる人だしある程度の加減もわかるのだろう、攻撃の仕方がちょっときつい感じだが、それでもなぜか著者も含めて笑いの渦である。タイトルとか判別できない芸能人の似顔絵とか散々だ。渋谷公会堂2DAYSの実売数。

最後に安齋。なんきん・しりあがり寿と共著、となると当然出てくるのは「なす」(アスペクト)である。演劇集団・NAS(今や解散状態だとか)の全貌がわかる、デザインも新しいムック。これも手に取ったことはある一冊。革命的デザインはかえって不評で内容もチェックが入らないほど見るべきところがないらしい。これもちょっと手厳しいか。実売数は渋谷公会堂空席ちらほら。

これで終わるかと思いきや、突然残部をさばくべくサイン本の手売りを始めてしまう。うらやましい!わかってればそりゃ買いに行ったさ!と思った人はわたしだけではないだろう。かつて井筒との名コンビで披露された杉Jのサクラも行われた、が果たして実際にあの場では売れたのだろうか?


実売数はある程度ぼかされているものの、いずれも有名な会場なのではっきり書いたも同然である(実際わたしも、どの会場にも行ったことはないけどキャパくらいわかる)。空耳でタモリが述べているが実売数公表は業界のタブーらしく、今後クレームが来ないかちょっと不安。まあかなりサバを読んでいるらしい週刊少年ジャンプのような有名誌の実売ってわけでもないから問題なさそうだけど。

顔触れが顔触れなので評価は甘い。もっとも客観的に見ようとしても面白い企画だとは思うけど。「謝罪の言葉」といっても書いた側に反省の色があまりないし、タモリ・130R側もケチョンケチョンにけなしているけれど雰囲気は穏やかで悪くない。「出版業界のマイナスの資産」をはじめとする蔵野の指摘・ツッコミが冴えた。杉作になると妙に舌鋒鋭くなるタモリに愛情を感じた。こういう企画に出てこないということは、やっぱりみうらじゅんは売れてるんだね。また、今回はサブタイトルネーミングが秀逸(とくに前半)、と思った。

空耳アワーの結果

今回の2本目は空耳史上有数であろう超弩級の長さ。ただ、文のつながりがほとんどないに等しい苦しさでジャンパーには届かず。

ミュージシャン 曲名 賞品
インペリアル・ドラッグ プレイボーイ・アフター・ダーク 手ぬぐい
デス メンタリー・ブラインド Tシャツと手ぬぐい

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